あさぎり町中部ふるさと会

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2016年8月26日

第5回 八代妙見祭 八代妙見宮(八代神社)

その3)亀蛇(きだ)は古代船

 前掲の妙見由来碑によると、妙見さんは亀蛇という乗り物によって八代の竹原の港(現在の八代市竹原町)に上陸されたとある。その亀蛇とは何なのだろうか。妙見祭に出てくる亀蛇は図1のように、甲羅の形や文様、長い首や尻尾までの体形からは「かめ」のようであり、地元では「ガメ」と呼ばれている。しかし、顔面と頭部の様相は怪獣そのものであり、首が2.5m、胴の大きさは畳4枚ほどあり、全体の重さは200kg、旧大映の特撮映画に出てきた「大怪獣ガメラ」といった方がふさわしいかもしれない。
     
   図1 亀蛇の模型(八代神社境内の展示場)左:亀蛇の正面 右:側面

亀蛇は文字通り亀と蛇であるから、中国の伝説上の神獣であり、四神の1つであるところの玄武(げんぶ)である。しかし、亀は甲羅があってそれらしいのであるが、頭部の顔相からは蛇と言うより龍の顔である。
 妙見信仰によると、妙見菩薩の神使(しんし)は、北の守護神である玄武とされており、一般には亀が象徴となっている。この神使というのは神様の使いで、神意を代行して現世と接触する動物のことである。神々によってその動物は異なるが、十二支動物のほか鹿、狐、鶏など20種類ぐらいの魚や動物がいる。夫婦岩(めおといわ)で知られる三重県伊勢市二見町にある二見興玉神社(ふたみおきたま)の主祭神は猿田彦大神で、この神さまの神使は蛙である。夫婦岩を眺める海岸や境内にはたくさんの蛙像が置かれている。伊勢神宮の神使は鶏である。
 妙見さんはこの亀蛇(玄武)に乗って中国の寧波(現在の浙江省)やってきたというのであるから、乗り物、船であることに間違いはない。渡来の時期は680年であるから、今から1336年も昔のことである。その頃の船の形はどんなものであったのだろうか。実は亀蛇の顔相そっくりの船首像をもつ古代船がある。図2はオスロのヴイキング船博物館に展示されている8世紀頃のヴイキング船(左)と船首像の龍蛇(右)である。
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  図2ノルウエーオスロヴァイキング船博物館のバイキング船首像(右)

 この船首像は龍蛇となっており亀蛇の顔相とよく似ている。中国の船は竜骨構造を基本としているが、バイキングの船も、船体には竜骨が敷かれ、波切りをよくするためそり上がった構造をしており、船の舳先にはこのような守護神をつけている。このことから妙見さんが乗って来た亀蛇とは船のことであり、バイキング船のように船体に竜骨が敷かれ、波切をよくするためにそりあがった船であったと想像できる。
 妙見さん一行が中国浙江省の寧波あたりから竜骨船に乗り八代の竹原の港に上陸されたのは今から1336年前である。そのころの八代は「鬼の岩屋」として知られる谷川古墳群(八代市岡町)が作られていた頃である。あさぎり町免田東の北吉井には「鬼の釜」古墳があり、「鬼の窟」「鬼の唐門」など「鬼」の着く古墳は各地にある。これは、すでに定住していた縄文・弥生時代からの先住民にとって、渡来人は「鬼」に見えたのではないだろうか。しかし、これらの人達、球磨んモンの先祖達は妙見さんよりもずっと前、いつごろ、どこから移住してきたのか、このヒントを与えてくれる言い伝えが八代にはある。
                                           <つづく>

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